■天上世界、高天原

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「あら……。」
静まりかえった神殿は…その女性の一言で静寂さを失った。
「姉上?どうかされたのですか?」
「ええ……まぁ…少し…ね。」
そう云って女性は自分の前に置かれた水晶を見せた。
「素戔鳴尊(スサノヲノミコト)…どう想いますか?」
素戔鳴尊に見せられた水晶には縦にヒビが入っている…其れを見た素戔鳴尊は顔をしかめた。
「…是は…姉上……どう云うことですか?」
「……何か不吉な予感がします。」

此処は神々が住まう高天原…今登場した2人は高天原の神、天照大神(アマテラスオオミカミ)とその弟素戔鳴尊。
そしてもう独り……。

「ただいまぁ―!姉様〜兄様〜!!」
「あら、月読命(ツキヨミノミコト)…早かったですね?ちゃんと太郎の散歩は出来ましたか?」
「姉上、太郎では有りません。シューティングスターです。」
因みに太郎もシューティングスターも同一人物の事です…否……人物では無いのですが。
「姉様も兄様も好い加減にして下さいよ、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の山太郎でしょう?」
説明する事も無いでしょうが、山太郎も太郎もシューティングスターも同一人物です…否、人物ではな……(シツコイ/殴)
「まぁ…呼びやすい名前で良いじゃないですか、で?月読命、ちゃんと太郎の散歩を済ませて檻に入れたのですか?」
天照大神が訊くと、月読命は胸を張って………
「もーーーーちろん★山太郎ったらあまりに外に出たのが嬉しかったらしくて、散歩の途中で逃げちゃった♪てへっ☆」

…………………………………………………………………………ああ……なんか痛々しい科白……ではなくて……。

ガイィィィィィィィィィン!!!

「いっっっったぁぁぁぁいぃぃぃ!!!ちょっと姉様!!こんな可愛い妹に水晶ぶつける事なんて無い……へぶっ……!!」
「黙りなさい月読命……全く貴方は何ですか、中ツ国に行った時と云い、今回と云い……ちゃんと八咫鏡(ヤタノカガミ)を持っていたのでしょう?」
無くした。

ゴィィィィィィン!!!

ヲット!!本日2回目の水晶頭割だぁぁああ!!是は痛い!!

「はぁぁ……仕方がありません…素戔鳴尊、月読命と共に八咫鏡を捜して太郎も捜して捕まえて来なさい。」
「わ……私がですか!!?」


「なんですか?何か文句でも有ると云うのですか?」

「い……いえ……」
天照大神サンの後ろに恐い顔した虎サンが見えます!!これは………勝利の女神は天照大神に微笑んだー!!
「さぁ!解ったらさっさと行って捜してきなさい!!!」
半ば強引に閉め出された素戔鳴尊と月読命でした。


一方その頃……。

「はぁぁぁあああ……めんどうくせぇ……なーんでオレが古書整理の手伝いなんか……。」
「はぅぅ………ゴメンね…亞津紀クン……。」
「良いよ良いよ……コトリの頼みじゃ断れねぇし?」
七不思議調査委員会の娜梛村 亞津紀(ナダムラ・アツキ)と図書委員の椎谷 コトリ(シイヤ・*)+α達が共に古書整理をしていた時だった…。
「あっ……これぇ……。」
「何だ?」
見ると見覚えのある本……この時亞津紀には嫌な思い出が蘇った…。
以前此の本を開いたが為に高天原に強制送還され、何だか訳の解らない神様どもの頼みを強引に引き受けさせられ、学園に八岐大蛇を召喚してしまいえらい大変な目に遭った……と云う、出来るなら一生想い出したくもない想い出だった。
「はぁぁぁぁああああ………………。」
自然と溜息が出る…そんな亞津紀を見てコトリが心配そうにしていた。
「亞津紀クン……大丈夫ぅ?」
「ぇ……ああ……大丈夫大丈夫……しかし本当…此の本の御陰で酷い目に遭ったよな…。」
「そうだねぇ……大変だったらしいねぇ……。」
亞津紀が浸りたくもない想い出に浸りつつ本を棚に戻そうとした…その時だった。

パァァァァアア…………………

本が…嫌な光を発している……。
「……なーんか……やべぇ気がするんだけど……。」
「あ…危なそうですぅ………。」

そう解っていても…やはり好奇心と云う物が有る。
恐る恐る本の頁を捲った………すると光が一層強くなり目を瞑ると………。


「…………い…………を……をい………起きろ!!」
其の声で目が覚めた亞津紀達……未だ眼の前がちらついた。
「はぁ……全く……何処の誰かと想ったら…貴様達だったとはな……。」
「………ぅ……だ…れだ?」
聞き覚えの有る声なんだけど…と想う亞津紀……。
「やれやれ……これだから人間と云う奴は……。」
「……くすっ……莫迦。」

……………………………………………なんか物凄く勘に障る云い方する奴等なんですけど?

「ああ……そう云えばいたな……こう…莫迦面を更に鯛焼き器で潰したような顔して偉そうにしてた奴が……。」
「………誰が鯛焼きだ………。」
大分目が慣れてきた……同時に確信出来た……此奴等の事を。
「お前がだよ。似非神野郎が!!!」
亞津紀の視界に入ったのは素戔鳴尊と月読命……共に面識は有る…そう有りすぎて困るくらいに。
「黙れ。相変わらず猿人だな貴様!」
「誰が猿人だって?泳げ●焼き君?」
「貴様……愚弄する気か?」
バチバチ火花を散らす2人……見かねたコトリが亞津紀を素戔鳴尊から離す。
「2人とも落ち着いて下さいですぅ……話し合うですぅ……!」

「「ちっ。」」

同時に舌打ち……ヤッパリお前等気が合うだろう?実は。

かくかくしかじか、事情を理解した神チーム。
「で?お前等何やってるんだ?」
亞津紀の問いに月読命が答える。
「私達…山太郎を…八岐大蛇を捜してる。逃げた。」
マジで?と云う顔をする亞津紀…するとコトリが…。
「だったらわたし達も一緒に捜しますぅ…人数多い方が良いでしょう?」

「はぁ?ちょ……待てコトリ!!じゃあ何か?此の鯛焼き莫迦と一緒に行動しろって云うのか?お断りだっつーの!!」

「私だってこんな不細工猿人と共に行動などしたくない!!」

「ちょと待ててめぇ……誰が不細工だって?ああん?」

「貴様以外に…?誰が居ると?」

再び火花を散らす2人……すると今度は月読命が……。
「だったら二手に分かれれば良い……鏡捜索チームと、山太郎の捜索及び餌チームに…。」

………ちょっと待て…今この人『餌』って云っちゃったよ?

「ああ…それなら良いな……では月読命は其処の猿人と行け、私は………アレ?私は……。」
必然的にコトリと一緒ですよ、素戔鳴尊サン。

「無事組み分けも済んだし……。」
「出発ですぅ。」

意気揚々と云う女の子2人を後目に再び睨み合う亞津紀と素戔鳴尊……そして……。

「「ちょっと良いか?」」

「てめぇ………」
「貴様………」

「コトリに……」
「月読命に……」

「「変な事したらただじゃあ、おかないからな?」」


こうして八岐大蛇捜索+封印作業が始まった。

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■意図紬【空】
空ノ壱:亞津紀+月読命の方について行く。(鏡捜索)
空ノ弐:コトリ+素戔鳴尊の方について行く。(蛇捜索)