■学園の危機!!

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高天原を追放され、出雲之國に降りた須戔鳴尊(スサノヲノミコト)は、困り果てた足名椎(アシナヅチ)と手名椎(テナヅチ)…そして櫛名田比売(クシナダヒメ)に出逢います。
そして其処で山の様に大きな大蛇、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を彼は倒し、尾から出て来た剣を天照大神(アマテラスオオミカミ)に献上しました…是が草薙の剣です。





「はぁ……。」
図書室の机に頬杖をしながら大きく溜息を吐く泡透 唄冶(ホウトウ・ハイジ)。
「……またいつもいつもいつも……いつもの事では有りますが、まさか唄美があんなにも莫迦だったとは……もう〜!!!!」

泣き崩れる様に机に伏せてしまう唄冶…前回の行方不明事件の際、唄冶の双子の弟泡透 唄美(ホウトウ・ハイビ)が高天原(神様が住む場所)に通じていた本を思い切り破ってしまったのだ。
其れで一応事件は収束したものの、問題が残ってしまった…天照大神ことアマテラス・コウと須戔鳴尊ことスサノヲ・コウが高天原へ還れなくなってしまったのだ…天太玉命(アマノフトタマノミコト)の噺によるとアマテラスが高天原に戻らないと世界が滅びるとか何とか…。

「そんなに気に病むなよ唄冶お前の所為じゃ無いって、つか泣くなって!」
「亞津紀さん…。……否、泣くとか勘違いです。」
亞津紀に声を掛けられ思い直した様に唄冶は“泣く”と云う処を否定した。
「そうか?何か頬に泪が伝った跡が………。」
と、伸びてくる亞津紀の手を唄冶は払い除ける。
「だから勘違いですって……大丈夫ですか?そろそろニコチンの摂り過ぎで脳細胞の数が絶望的に成ってきたのではないですか?はいニコ●ットどうぞ。」
「要らねぇよ。つかオレの脳細胞は未だ死んでねぇ!!」
ベチッと唄冶の頭を軽く叩く亞津紀…そして、“あー!!くそ…苛々する!!!!”と図書室の椅子を思い切り蹴り飛ばした。…完璧に煙草依存症だ。



「もう、亞津紀兄っ…苛々しすぎだよぅ…ねぇ、落ち着いてよー。」
ウルウルと某CMの子犬の様に眼を潤ませ訴えかける佐々良 咲(ササラ・サク)を見て、ポリポリと頭を掻く亞津紀…仕方ねぇなぁ、と云う感じで居ながら図書室を出て行こうとする。
「月読命(ツキヨミノミコト)さんを行くのですか?」
「当然。…好い加減あの野郎とも別れたいしな。」
そう云って出て行く亞津紀を追う咲…唄冶は二人を見送った後自分も図書室から出て行こうとした。
すると、カタンッ……と云う音が微かに訊こえた…何となく思い当たるところが有って唄冶は破れた(唄美に破かれた)本を持っていく事にした。







「ふん…人間のくせに良い腕をしているな。」
「其れはどうも…褒め言葉として受け取って置きます。」
着物を着つつもその身を軽やかに翻す鈴夏 海(レイカ・ウミ)と薄ら笑みを浮かべるスサノヲ。
其の光景(本人達曰く稽古らしい)を、あくまでも笑顔で見ているアマテラス。
「しかし是迄だ…此の“草薙の剣”に掛かれば人間如きに…」



バコン!!



鈍いが響く。見るとアマテラスが片手で石を遊ばせながらニコニコと嗤っている。
「抜刀禁止ですよスサノヲ?此処は中ツ国なのですから?海様、御免なさいね。」
「いえ…別に…。其れよりもスサノヲ殿がお持ちに成られているのがあの“草薙の剣”なんですか?」
少し声を高ぶらせて海が訊いた。和風の物が好きな海にとっては興味をそそる物だ。
「ええ、実際に弟が持っている物は八岐大蛇の尾から出て来た物だと訊いています。」
「八岐大蛇…!!?ほ…本当に居たのですね??」
「良ければお話ししましょうか?八岐大蛇の事や人間が伝えている昔話の真意…。」
是非、と云う感じで海はアマテラスに食らいついた。

独りポツンと取り残されるスサノヲ、其の元に近付くトラブルメーカーの足音……。

「ゥオーイ!!通行人Aちゃ〜ん!!!」
ん?っとスサノヲが振り返る、すると息を詰まらせた。
眼の前にはバスケットボールを脇に抱え、ニヤニヤと笑いながら仁王立ちしている唄美…。
因みに通行人Aとはスサノヲの事である、どうやら定着してしまったらしい。

何の様だ?と云いたげなスサノヲを後目に唄美は……。
「なぁなぁ一緒にバスケやらねぇ〜?折角だからこっちの遊びも憶えとけよ!」
ガシッと袖を掴んでスサノヲを引っ張る唄美。

「い…いやしかし私は…「バスケは偉大だぜ〜!ボールがありゃ取り敢えず出来るからな!!」

「大体どうやれば良いのか…「ォヲーイ!其処ら辺にいる雑踏もこっちこいやー!」

訊く耳持たない唄美。意見云うだけ無駄である。



「おっしゃあ、早速やろうぜ!第1球……振りかぶってぇ〜投げ付け(?)たぁー!!」

唄美の魔力【風】の力も有って、ボールの速度はドンドン早くなる……遂に200q/sを越えたー!!是はメジャーリーガーに移籍したイ●ローも打てまい!!………ん??是はバスケじゃあなくてヤキュウじゃあ無いですか?唄美サン!!?

「さぁ!スサノヲ其のボール受け止めて彼処にシュートだぁ!!!」
ビシィっと(唄美の背後に有る)ゴールを指し示す唄美……だがスサノヲは……。

「こんな物受け止められるかぁ!!!!!」

と、手に持っていた草薙の剣でボールを打ち返す!

カキィィィィン!!!

大きい、大きいぞ〜伸びる打球は……場外ホームラ〜ン!!



ガイィィィイイイイ〜ン!!



ヲット!偶々、近くを歩いていた見覚え有る人物、基、亞津紀に見事ヒット!(そして不幸にも散歩中のわんことにゃんこにも跳ね返ったボールが当たる。)

「よっしゃあ!!計算通り〜クリティカルヒットォ!!見たか娜梛村ぁ!よーし、次行くぜ?第2球〜……!!!!」
唄美が再びボールを投げようと振りかぶると…。

「巫山戯んなぁー此の野郎!!!!!」

再び景気の良い音がする…今回の音源は唄美だ。
「何するんだ!娜梛村ぁ!!」
「こっちの科白だ、此のトラブルメーカーがぁ!!人の頭にボール(しかもバスケの)ぶつけやがって!!見ろ此のたんこぶ!!」
「五月蠅ぇ!大体ぶつけたのはオレじゃ無くて此の通行人Aちゃんだ!!」

「原因作ったのはてめぇだろうが!!」
「止めてよ亞津紀兄!こんな事しに此処に来た訳じゃあ無いでしょ?」
「そ…そうだよ…あの、あのね……お…おお…落ち着いて。其の、喧嘩はいけないよ、はわ…余計な事云ってご…御免なさい!!」

亞津紀と唄美の睨み合いが始まったのを必死で止めようとする咲と途中で合流した麻祇 水守(アサギ・ミモリ)の二人。水守が魔力【気】を使い、何とかして二人を引き離す。
落ち着いたところで咲が噺を切り出した。



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