■馬鈴薯行進曲★(協力:暁 涼歌)
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「犯人はお前だろ!那波 鷲恋(ナナミ・ジュレン)!!」
ビシィっと榊原 嵐(サカキバラ・ラン)が指差した方向は独りの女生徒…南瓜栽培部部長の那波 鷲恋が部員一同を引き連れてコチラを向いている…。
何だか某病院ドラマのワンシーンの様だ。
此処は虹色学園…通称馬鈴薯学園……此処では、馬鈴薯栽培部と南瓜栽培部の間で熾烈な戦いが毎日の様に繰り広げられている。
今日は新入生の部活見学日、だが此の日の為に作った馬鈴薯栽培部の馬鈴薯が一夜にして消えてしまったのだ…。
馬鈴薯栽培部である嵐は馬鈴薯を消した犯人が南瓜栽培部では無いかと考え、部長をとっちめに来たのだが………。
鷲恋はフッと笑みを浮かべ嵐に向き直り、そして云い放った。
「おーほほほ!!可笑しいったらありゃしませんわ!全く馬鈴薯栽培部の面子と来たら揃いも揃って頭まで馬鈴薯の様ですわね?」
「な……何をぉ〜此のアマァ……。」
いつもの高飛車な笑い声がやけに今日は冴え渡っていた。
「少し考えれば解るコトじゃあ有りません?わたくし達高貴な南瓜栽培部が、下品な馬鈴薯何かに手を出して何が得られると云うの?貴方方の邪魔なんかしなくてもわたくし達の方が魅力有る部活動をしていますのよ?大体そんなセコイ手を使うコトはわたくしの美学に反しますわ!!」
「じゃ…じゃあ…アンタ盗んで無いって云うつもりかよ?」
「ええ…その通りですわ。全く…無駄な時間を取らせないで下さいな!わたくし達は放課後行われる新入生部活見学の準備で忙しいので…是で失礼させて頂きますわ、ごめんあそばせ!!」
そう云うと鷲恋は部員を引き連れて行ってしまった。
鷲恋が見えなくなると嵐は…。
「彼の高飛車女め…。」
と、毒吐き。
だが、疑問は残った……鷲恋が仮に犯人で無いなら誰が犯人なのか?
処変わって馬鈴薯栽畑…其の中で馬鈴薯栽培部部長の麓山 柚(ハヤマ・ユウ)が、がくりと膝を附いて落ち込んでいた。
柚の心を顕すかの様に太陽は雲に隠れ元気が無い。
「柚!ホラッしゃきっとしなさい!!!部長がしっかりしないと駄目よ!?」
そんな柚を励ますのは、本当に馬鈴薯栽培部の一員なのか疑問である、檻花 愁(オリハナ・ウレイ)だ。
すっかり意気消沈と云った感じの柚に、何とかやる気を出させ様と頑張っている…が、当人はと云うと……。
「…でもさ、愁君…馬鈴薯が無いと、今日の新入生部活見学に参加出来ないよ?其れとも新しい馬鈴薯でも作れって云うのかい?」
「アタシは諦めていないわよ!!大体そんな事云う時間が有るなら今すぐ新しい馬鈴薯を作り始めるべきよ!!!未だ時間は有るんだから……アナタなら出来るわ。『樹』の能力を最大限に出せばなんとか成るかも知れないじゃない!」
と、情け無い事を云う柚に愁が突拍子も無い提案を打ち出す。
「そうザンス!お若いの…そんな馬鈴薯の百個や二百個消えたくらいでクヨクヨしていたら、是からの人生の逆境には勝てないザンスよ!代わりの馬鈴薯くらい作ってみるザンス!」
柚の肩を叩いて励ましてくれる者も居る。
「あのね…馬鈴薯が無くちゃ生きていけない人間だって居るんだよ?其れに…もし間に合わなかったら…そうしたらどうするのさ…。」
「其の時はアタシが家で作った馬鈴薯を代用すれば良いのよ!……柚の作った馬鈴薯には劣るかも知れないけど…大切に作ったもの何だから!其れに柚…諦めと失望は似ているけど、全然違うわ。あなたは諦めていないわよね? 失った望みは、取り返せるのよ。諦めていなかったらね。」
「此のおなごの云う通りザンスよ…諦めなければ何でも出来るザンス。成功を掴む為には諦めたらいけないザンスよ!さぁ頑張って新しい馬鈴薯を作るザンス!!」
「そうよ!頑張るのよ!!ほら柚!!」
愁が柚に手を差し出す。
そんな愁の手を恐る恐る握る柚……眼には微妙に泪が浮かべられては居るが、二人に励まされた御陰で其の表情には曇りがない。
愁に手伝われながらも柚は立ち上がり、そして決意した。
「………そうだね………頑張ろう!!新しい馬鈴薯を作ろう!!」
そう柚が決意した瞬間に雲の間から太陽の光が降り注ぎ柚と愁を包む………ええっと……年代遅れの青春ドラマか何かですか??
そんな事にもお構いなしの柚と愁……そして急いで種芋を捜そうと一歩足を踏み出す……すると。
「痛い、痛い!!痛いザンス!!!ちょっとアータ命の恩人に何て仕打ちザンスか!!!?」
柚はゴメンゴメンと声のする其の一点を見詰め硬直した。
続いて、何やっているのよ〜、っと注意しようとした愁も柚と同じく、声のする一点を見て硬直してしまった。
「全くもう……最近の若い者は…礼儀が成っていないザンスよ………まぁそんな事より、柚サン…アータが元気に成ってくれて良かったザンス。今の無礼は其れでチャラにするザンスよ。其れじゃあワタシは是にて…………御免!!!」
そう云って格好良く(?)その場を去ろうとする人物…………人物???
其れにしては背が低く、頭にはワッサワッサと緑が生い茂り如何にも光合成が得意ですよ〜っと云っている………そして何より足はゴツゴツしている…何と云うか石ころが幾つも付いたみたいな………って、アレはまさか!!?
「……………………………………………馬鈴薯……………????」
眼を点にしながらも、愁は必死に今起きている事実の整理をしようと努めていた。
馬鈴薯が…………歩いている??ウォーキングポティト??(ポテトじゃあ無くてポティトなのが拘り。)
ちょっと待って……そもそも馬鈴薯って動く物か??
「…………何アレ……何で馬鈴薯が動いているの………し……新種の馬鈴薯?」
「違うよ…愁君…新種何かじゃあ無い…。」
やけに冷静な柚の言葉に愁はほっとする…流石は馬鈴薯栽培部の部長…動く馬鈴薯も見慣れた物なのだ…珍しく無い物なのだ。
そう愁が自分に云い訊かせた処で柚の此の発言。
「アレは………エリザベスだ!!!!!」
……………………………………………………………………………………………はい?
え…………えりざべすぅ???
「まったくエリザベスったら………畑から抜け出して何を……て云うか何で動いてるの?」
動いているのは二の次ですか!!?
柚の発言に暫し呆然とする愁…なんかもう現実逃避ですよ。
と、愁が現実逃避している間に柚が猛然と馬鈴薯(柚曰くエリザベス)を追って駆けて行く。
そんな柚を愁は渋々追い掛ける事にしたが………。
「ゆ…………柚〜………新芋…作るのをじゃがるんじゃあ無いの???」
ダイジョブですか?愁サン?
「ふぅ…こんなもんかな。」
額の汗を拭いながら秋穂 冴花(アイホ・サエカ)はスコップをグラウンドに突き立てた。
冴花の眼の前には真新しい土を掘り返した痕が有る…実は落とし穴を作っていたのだ。
馬鈴薯が盗まれたのでは無いかと考えた冴花……でも捜すのは面倒…其処で犯人に自ら出て来て貰おうと一生懸命落とし穴を掘っていたのだ。
掘り返された土を周りと同じ乾燥状態にする為に冴花は魔力『砂』を発動させ、水分をみるみる吸い上げていく…すると周りと同じ土色になった。
そして、と落とし穴の上に捜して来た種芋を置く。
「馬鈴薯が狙いなら……絶対来るよね……!!」
捕まえてみせる!と意気込んだその時。
「待〜〜〜〜〜て〜〜〜〜〜!!!!」
訊き覚えのある声が遠くの方から訊こえた、其れと同時に激しい地響きが……。
何事!?と想い冴花が声のする方向を見ると………。
「…………って、えええええええ!!?何アレ!!?」
其処で冴花が見た物は!!!?
続きはコマーシャルの後で★(ってええええ!!?)
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