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申し遅れました。私の名は天太玉命(アマノフトタマノミコト)と申す者です。」

遥、心露、海、燈が宴会の準備をしている最中で亞津紀達は、と云うと、先程の男性が畏まって挨拶中…是からの事について話をする処だった。
「あっ、長いので太ちゃんと呼んで頂いても…「呼ばねぇよ!」

少々怒り気味の亞津紀…どうやら誰にも味方されなかった事に腹を立てているらしい。

「亞津紀兄…起こらないでよぉ〜!」
咲の言葉も無視する亞津紀…ヲイヲイ臍曲げるなよ!
コホンと咳払いした後に、太玉命(本人曰く太ちゃん)は本題に移った。

「実は…天照大御神(アマテラスオオミカミ)様の事でご相談が有りまして……。」

「天照?…其れって太陽の神様の事だよね?」
「はい……実は其の……天照様が………其の…素戔鳴尊(スサノヲノミコト)様と共に行方不明に成ってしまいまして……。」
太玉命の言葉を訊いて皆愕く。

天照大御神が消えた!!?

「其れって…とてもマズイ事なのでは?」
唄冶の言葉に頷く太玉命……。そして言付けた………このままでは此の国が滅びると…。



「………あん?もしかして此の世界って高天原か??」
「まぁ…似た様な物です…。」
「え?じゃあもし此の世界が滅びたら、私達の世界はどうなるの?」
「高天原と連動しているのですから……当然中ツ国…貴方達の世界も滅びます…ですから、天照様を捜して欲しいと想いまして………。」
水守の質問に突拍子も無く話す太玉命。

「手掛かりは有りませんが、貴方達の世界に居ると想いますので〜宜しくお願いします。」
えっ?本当に突拍子も無い…って云うか手掛かり無いって…。
「其れでは、頑張って天照様を此の世界に帰して下さいね〜。」

っと、云う声が発せられた瞬間に眼の前がぼやけ始めた。
て云うか太玉命サン…随分自己中心的ですね!!







遥、心露、海、燈が図書室に戻って来て愕いた…図書室には行方不明に成った筈の椎谷 コトリ……其の人がいた。
「君……コトリちゃん?いなくなったんじゃあ…?」
「何の事です?私はずっと此処に居ましたよ?」
「だって……皆隅々捜したのに……。」

「捜し足り無かったのでは無いですか?」

遥の問に屈託の無い笑顔で答えるコトリ…でも何かおかしい……コトリってこんな人だったっけ?
「亞津紀は居ないのか?一緒に居たではないか?」
実は二人が居なくなった時にも図書室に居た心露…確かに二人が一緒に居る処を目撃…と云うか会話を訊いていたのだ。

「えっ…いえ……亞津紀サンと…ですか?別行動ですから。」
ますます怪しい…と4人がコトリを問い詰めようとしたその時。

突然机の上に置いて有った本が捲れ始めた…。
「ポルターガイスト現象か?」「幽霊……」
燈と海が身構える。
すると突然光が溢れ、皆の眼を眩ます。

暫くして眼を開けると…机の上には…。







「痛たた………。」
「此処は…自分達の学園ですか?」
「うにゅぅ……吃驚……。」
「………お前等…重いっつーの……。」

亞津紀の言葉を訊いて水守、唄冶、咲は急いで机から飛び降りる。
「皆…消えたんじゃあ無かったのか?」
「何だよ…宴会の準備した意味無いじゃあ無いか…。」
「…って云うか今何処から出て来たの?」
独りチッと舌打ちする燈…。しかし、皆にしてみれば、疑問だらけの突然の出現。

「そんな事オレ達だって知らねぇよ…。」
一服しようと亞津紀が懐を探ると……亞津紀の命の源が……無い。
すると先程捲れた本から透けた…と云うか立体映像っぽい物で太玉命が顔とそして手を出す。

『ちゃんと見付けて下されば是はお返ししますので…逃げないで下さいよ?』

手には煙草が一箱握られていた…其れを見て亞津紀が絶叫する。



「あーーーー!!!オレの命の源!!!!」



本に飛び付くが、時既に遅し…太玉命は姿を消した。
畜生、と項垂れる亞津紀…。

「元気出してよ…良いでしょ?煙草くらい…。」
「躰に悪いと、自分も云いました。」
励ます(?)咲と唄冶。

「そうですよ亞津紀サン…煙草くらい何ですか。」
五月蠅ぇ……とコトリの言葉に亞津紀が反応してコトリを見るなり顔を強張らせた。

「あん?お前誰だ?」
「何を云っている亞津紀…コトリだろ?」
「コトリ??此奴が?違うだろ……。第一コトリはオレをサン付けで呼ばねぇ!!」

心露の言葉を否定する亞津紀…確かに、皆コトリに対して違和感が有ったが、まさかこのコトリはコトリでは無いのか?

「野郎の言葉が仮に本当なら、キミは誰なのかな?」
燈の問にコトリは別に隠そうとも想っていなかったのか、徐に話を始めた。

「……太玉命が云っていたでしょう…天照を捜して欲しいって。私が其の天照大御神です…事情が有って少々此の方の躰をお借りしているのです。」
驚愕する者も居れば、予想していたのか余り愕かない者もいる…すると咲が…。

「其れじゃあ早く高天原に帰ってよ!其れじゃあ無いとこっちの世界も滅んじゃうんだよ!?」
しかし天照は首を横に振った。
「駄目です…素戔鳴尊が…弟が居ません。…私は弟と一緒でないと帰りません。」
「それじゃあ…弟さんが見付かったら天照殿は高天原に帰るのですね?」
海の言葉に今度は首を縦に振る。
「では捜しましょう…何か手掛かりは有りますか?」

海の言葉に天照はうーん…と考えてから、何処から取り出したのか紙とペンでサラサラと何かを描き、其れを皆に見せる。
ウッと息を詰まらせる一同……。

唄冶「是は……失礼ですが似顔絵………ですか?自分にはミッ●ーマウスにしか………。」
遥「え?豚だよ。」
心露「否、ミトコンドリアだろ?」
とそれぞれ意見…天照は、弟ですと云い切ったが……どう見ても似顔絵とは云えない。



天照の似顔絵が当てに成らないと知り考え込む一同…そんな処にトラブルメーカーの足音が近付く。
「ヲイ!コラ!!唄冶が居なくなったって話は本当か!!?」
「…嘘です。」

通行人Aに噂を訊いて図書室に駆け付けた唄美の言葉を脈絡も無く粉砕する唄冶。
「アレ?マジ?…なんだよ嘘かよ……って…娜梛村!!てめぇ勝手に居なくなりやがって唄冶がどれだけ心ぱ…………」



ドスッと鈍い音を立てて唄美の腹に唄冶の拳が突き刺さる…。
「此の…愚弟……。」

蹲る唄美…と其の視界に先程天照が描いた、豚ともミトコンドリアとも見て取れる似顔絵が飛び込んできた。
「ん??是ってさっきの通行人Aちゃんじゃん?」
唄美の言葉に愕く一同。
と云うかよく似顔絵だと認識出来ましたね唄美サン!!
「えっ唄美お兄ちゃん!素戔鳴お兄ちゃんに会ったの!?」
「へ?あ…まぁさっき廊下で……。」
其の言葉を訊いて駆け出す亞津紀、水守、唄冶、咲…そして天照。

「何々?何が有ったんだよ?」
と、燈に視線を送るも……。
「野郎に説明する気は起きない。」
軽くあしらわれた。仕方がないと遥、心露、海が説明を始める…と云っても解らない事も多いが……。



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