----------------------------------------------------------

一方亞津紀達の方は……唄冶と唄美の魔法具が球状にバリアの様な物を貼って皆を護っていた。
「あー!!何でオレが猿人まで護らなくちゃいけないんだ!!」
「五月蠅ぇ!偶々お前等双子の魔法具がオレ等護ってるだけだろう!ほら気抜くと喰われるぞ!!?」
「ヲイヲイヲイヲイ喰われてるみたいだぞ?」

まさにスサノヲがそう云った直後八岐大蛇がガパッと口を開けバリアごと皆を食べようとした……しかし結構冷静ですねスサノヲサン!!

「唄冶殿!唄美殿!此のバリア解除出来ますか?」
「はぁ……まぁ……。」
「解除して下さい!」

海にそう云われ仕方なしに唄冶と唄美はバリアを解除する…と同時に海は八岐大蛇の口の中に自分の木刀を立てる…そして…。
「護りの【花】よ……私達を護って下さい!」

海が【花】の魔力を発動させると木刀から花が発生し、八岐大蛇の口一杯に広がる…と云うか口の中に巣くっている感じだが…。



ウギャーギャァアアアアア!!フンギャァアアア!!



すると八岐大蛇の1首がのたうち回り始めた…物凄く痛がっている感じだ。
「ロザンヌ!!!海、貴様何て事を!!」
「ぇ……只、口の中を花で一杯にしようとしただけですが……あら?」

この時海が八岐大蛇の異変に気が付いた…花が巣くった首だけ他の首よりも一回りか二回り小さくなっているのだ。
「小さく成っていませんか?彼の首だけ……。」
すると唄美が……。
「あっ、実はさぁオレもさっき気が付いたんだけど何かあの爬虫類最初より小さくなってる気がするんだよな〜Aちゃんが酒出したすぐ後になんだけどよ。」



其の言葉に皆が考え込んでいると、八岐大蛇の七首が大口を開けて襲ってきた。
「ヤッバ……。」
誰もが本当に食べられると想った刹那。

「八岐大蛇!こっちだよ!!」
ギャゥウ?



八岐大蛇がその声を訊きそっぽを向く…見ると大蛇の目線の先には麻祇 水守(アサギ・ミモリ)がいた。
「こ……こっちだよ、ほら屹度食べたら美味しいよ?」
一瞬八岐大蛇が嗤ったような気がした……そして言葉に従うようにターゲットを水守に迫る。

対する水守は【気】の力で脚力を強化し、【時】の力を併用しながら軽やかに大蛇の口から逃れて見せた。
「亞津紀くーん!わ…私が八岐大蛇を引きつけるから、今の内に月読命さんと鏡を捜してきて〜!!」
「莫迦!其れまでお前が無事だって保証はねぇんだぞ!!?」
「だ……大丈夫だよ……私やる時はやるんだから……!……其れに…………ううん、やっぱり何でもない!なるべく早く……」

水守が云い終わるよりも先に左側から首が迫ってくる気配を感じ水守は急いで後ろに跳び退けた。
すると後ろには違う首が有る…今度は【時】の力でその首の動きを止め、顎を踏み台にして前に跳んだ……ホッと安心したのも束の間、左右から首が2本迫ってくる…空中にいた水守には方向転換する事が出来なかった。

「……っ……!!」
仕方なしに水守がガードを取ろうとしたその時。
「護って!【花】の力―!!」

咲の声だ。
その声が聞こえた直後首の1本に巣くっていた花達が活性化し、水守を襲おうとしていた2本の首に巻き付いた。
そして同じ様に其の2本に巣くい始めた。
八岐大蛇は苦しそうに悶え始める……そんな大蛇を見て此の人は………。



「ロザンヌ―!!!!!」
超絶叫…………好い加減大人になりましょう、スサノヲサン。



「咲さん!?あなた月読命捜しに行ってたんじゃ…?」
「あっ、月読命なら見付けたよ、アマテラスお姉ちゃんが連れて来るみたいだけど…。」
「ではアマテラス殿が来られるまで私達が八岐大蛇を押さえなければならないのですね…。」
「そんな事しないでも全部凍らせりゃ良いだろ?オレの【氷】なら出来る………」



ガィイイイイイン!!



「いっっっっっってぇーーーーー!!!!」
「馬鹿者!!だから使うなと云っただろう!!?木槌で殴るぞ!?」

……スサノヲサン、既に殴っていますよ。

「其れ、貸して下さい。」
そう云うと海はスサノヲが持っていた木槌を奪い取った。
「唄冶殿、あの首の動き全部止められますか?」
「ぇ………はいちょっと疲れていますけど……少しだけなら…。」

そして海は続けて、水守に【気】を咲に【花】を唄美に【風】を使う様に頼んだ。
因みに亞津紀とスサノヲは睨み合ったままである。



「お願いします!」
「沈黙の【闇】!!」「運べ!【風】の力ー!!」
海が合図を出す…すると唄冶が【闇】の力で八岐大蛇を覆い、其れを見て海はスサノヲから奪い取った木槌を投げ、唄美が【風】を使って大蛇の躰に木槌を落とした。
そして水守が海と咲の【魔力】を【気】で強化する。
「咲殿、良いですか?」
「OKだよ!海お姉ちゃん!」
「「護りの【花】!!」」
海と咲が【花】の力を使う…すると大蛇の躰を花が巣くった、と同時に唄冶の力は尽き、ガクンと膝を付いた…そんな唄冶を支える亞津紀。



フンギャァアアアアアギャー!!!



突如八岐大蛇は動きを止めた………ただ首だけはバタバタと動いている。
「やったぁ!」
「上手くいったね海お姉ちゃん!」
「そうですね、上手くいきましたよ。」
「何だぁ?お前等何やったんだよ?」
唄冶をおぶさりながら海に疑問をぶつける亞津紀、訊かれ海は八岐大蛇の躰を指指す…見ると躰に棘が巻き付き見事な薔薇をいくつも咲かせている。

へぇ…と亞津紀は感心を見せた。
「幾ら首が八つ有っても躰は1つですからね。」
「あれ……ヲイ…また彼の爬虫類小さくなってねぇか?…てかヲイ猿人なにやってんだよ…死ぬか?つーか死ね!!」

亞津紀に殴り掛かる唄美の最初の言葉に眼を懲らして見ると……云われた通り八岐大蛇の躰が先程よりも小さくなっている…皆が疑問に想っていると……。



「唄美様の云う通りです、太郎は小さくなっていますよ?」



アマテラスの声(……なんか今回は登場が遅いですよ、アマテラスサン!!)と見慣れない女性が傍らにいる。

「姉上!遅いですよ!!」



スサノヲに責められるにも関わらずニコニコと嗤うアマテラス、其の手には………金槌!!
そしてアマテラスサン……ヲット!スサノヲに向けて投げ付けたぁああ!!!
其の金槌をスサノヲ………顔面で受け止めたー!!!!



「何するんですか姉上!!」
「五月蠅いですよ全く!あんなに太郎を小さくしてしまって…お父様にどう云い訳するんですか!!はぁ……貴男に任せた私が莫迦でした……。」
「………姉様……莫迦兄など放って置くに限ります…あのクソ蛇止めないといけないんでしょ?」
「ああ…そうでした、須戔鳴尊、月読命行きますよ。」

アマテラスはそう云うと八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)を取り出し、スサノヲは草薙剣を、多分月読命だと想われる女性は八咫鏡を取り出し、八岐大蛇に向けた。
大蛇も危険を察したのか3人の方を向く…とイキナリ口を一杯に開け中から光線の様な物を吐き出した。

「破●光線!!!?(byポ●モン)」
「いいえ、水鉄砲ですよ。」
咲の言葉を軽く否定するアマテラス………と云うか否定する所其処ですか?

3人に迫る水鉄砲……を唄美が【重力】で受け止めた…は、良いのだが…。
「はぁ?なん……だ是……滅茶苦茶重いぞ……!!ハイ●ロポンプくらいの威力じゃねぇか!!」
「まぁ本当ですか!太郎も進化しているんですね!」
本気で悦ぶアマテラス………てか何に進化するって云うんだ。
「さてと、冗談(ヲイ)は是くらいにして…太郎、そろそろ潮時です。大人しくして下さいね!」
八岐大蛇も負けじと対抗しようとするが、棘に雁字搦めにされて動けないらしく、首をバタバタ地面に叩き付けている。

天……地……人……悪しき魂を再び【封】じよ……。
鏡封印!!

突如八咫鏡に向かい風が起きる…すると八岐大蛇の躰が段々と透け液体状になり始めた。
そして見る見る内に鏡の中へ其の液体は引き込まれていく。
「……完了。」
月読命の鏡に完全に吸い込まれた八岐大蛇…と云うかアレは本当に八岐大蛇だったのか?



back     next