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「はぁ……はぁ……はぁ……やった……。」
「わたしの塩味ポテチ〜!!」
肩で息をする嵐と、塩味ポテチが無くなった事を悔しがるここな…ここなの塩味ポテチで柚に取り憑いた悪霊(?)を退治したは良いが…ベッドから床から……はたまた天井までもポテチの油でベトベトに成っている……どれだけ投げ付けたんですか!!!
「ふわ〜ん!!嵐お兄ちゃん酷いよー!!わたしのポテチ全部投げちゃうなんて〜!!」
「んな事云ったって……。」
悪霊(?)を追い払う為には仕方がなかった事……しかし、よく考えたら確かにポテチ全てを投げ付けるのは失策だったかも知れない…しかも手作りだし。
「まぁまぁ……ここな君そんな泣かないで…元気出してよ……。」
元気のない柚に励まされるここな……否、励ましになりませんから。
「そうだここな君……是上げるからさ、是で元気出してよ……。」
そう云って柚は懐からさっと丸っこい物体を取り出した。
其の物体を見て、ここなの顔が見る見る明るくなる。
「わぁ柚お姉ちゃんの馬鈴薯だぁ♪」
「うん、そう……お兄ちゃんだけどね。是でポテトチップス作りなよ…ね?」
「うん!!有り難う!!」
そう云ってここなが柚から馬鈴薯を受け取ろうとすると嵐が有る事に気が付いた。
土まみれの馬鈴薯……しかし何かピッカピカ光る部分が有るのだ……変な馬鈴薯…とそう想っただけだったが……。
柚の手からここなが馬鈴薯を受け取った途端…。
「………はれ?あっ、嵐君、ここな君どうしたのさ…って云うか此処何処??」
「へっ?部長!!どうしたのってアンタ…アンタこそイキナリどうしたの。」
「ん〜??どうしたもこうしたもないよ……あれここな君?どうしたのさ??」
なんかよく解らないけど普段の柚に戻ったようだ…しかし反対にここなは……。
「………はぁぁあああ………。」
保健室にお見舞いに来た時最初見た柚の状態と同じに成っている。
「はぁ!!?何で!!?」
「あ〜……もしかしてその馬鈴薯が原因なのかもねぇ〜。」
「何ぃいいい!!?解ってたなら先に云えよ!!」
「知らないよ〜今気が付いたんだもん。」
何か柚サン……スッゴク無責任な気がするんですけど。
「何か、仙人だったら治せるかもって。」
「仙……人……って…………?」
冴花の言葉に愁が思い浮かべたのは……。
中国の山奥……其処で杖を持ち座禅を組む老人…躰は宙に浮き、顎には長い髭を蓄え、フォッフォッフォ〜と嗤う翁の姿だった因みに頭ははげていて長い。
想わずぶはっと嗤う愁。
「何想像しているの愁ちゃん?」
「な…何でも無いわ……。」
お腹を押さえてしゃがみ込み小刻みに躰を動かす愁を不審がりながらも、冴花は話を進める。
「エリザベス達が他の馬鈴薯達に訊いてくれたんだけど、部長が変に成ったのは【金の馬鈴薯】の所為じゃないかって…。」
「……き……【金の馬鈴薯】?其れって鶏が産むの?」
「違うってバ!!取り敢えず其れが原因で部長はおかしく成っちゃったの!その症状を治せるのが仙人なんだってさ。」
「仙人と云ってもワタシらと同じ馬鈴薯ザンスよ。何かパッと見一件枯れてる様何ザンスけど、身の方はちゃんとしいるザンス…色々な事知っている発明家で自称馬鈴薯仙人ザンスよ。略して馬鈴仙。」
「あっそ。」
軽くエリザベスの言葉を流す冴花……そんな冴花の反応にズガドーンとショックを受けて活動停止するエリザベス……。
そんなエリザベスに替わって、有栖川 金次郎が……。
「何でも長い間寝っぱなしで、何か刺激を与えないと起きないらしい……例えば燃やすとか燃やすとか燃やすとか……。」
「其れって燃やせって云ってるんじゃ……。」
愁のツッコミにギクッとする金次郎…燃やせって云っているのですね?燃やせと云うのですね??
「後は仙人を見付けるだけだね!でも枯れた馬鈴薯ってどうやって………。」
「あっ、それなら大丈夫…アタシさっき見付けたから。」
「ぇ!?本当!!」
「うん…アレじゃないの?」
そう云って愁は冴花と金次郎を先程見付けた枯れた馬鈴薯の処まで案内した。
「是じゃない?……アレ…???」
其処には掘り返されたままに成っている馬鈴薯が…………多数。
「凄い愁ちゃん!こんなに沢山掘り返したの!!?」
「ち……違っ…大体こんなに無かったもの…。」
確かに最初には1本しか無かった馬鈴薯が何故か増殖している。
「…ああー!!もう面倒臭い!!全部燃やしてあげる!!」
そう云って愁は【焔】を発動!愁の前方に有る枯れた馬鈴薯が燃やされる…しかしそれらはスーッとまるで【幻】で有るかのように消えた。
「愁ちゃん…是きっと【幻】の力だよ!」
「ああ…そう云えば仙人は【魔力】使えるって訊いた事が有るな…。」
と金次郎……馬鈴薯のくせに!!?
取り敢えず今は急いでいるのだ…そんな馬鈴薯の【魔力】何かに負けて等居られない…。
「柚を早く治さなくちゃいけないのよ!解けなさい!【幻】!!」
愁が【幻】の力を使った…辺り一面に広がる枯れた馬鈴薯がドンドン消えていく…その中で一本いつまでも残る馬鈴薯が有った。
「是が仙人……?」
冴花が馬鈴薯を引き抜くと…その馬鈴薯からスースーと寝息が聞こえる。
「………是みたいだね。」
「解ったわ。」
頷くと愁はその馬鈴薯に向かって【焔】を放つ。
熱っ、っと冴花が手を放すと………。
「ふぁああ……何じゃ騒がしい童共めが……。」
イキナリ馬鈴薯が喋り出す……まぁ見慣れた光景では有るが一応吃驚してみせる。
愁と冴花は今迄の事を仙人に話した。
「ふむ…其れはアレじゃ【金の馬鈴薯】が原因じゃな……。」
「其れは解ってる…だけど、その【金の馬鈴薯】って云うのは何処に有るの?」
「畑の何処かに有る筈じゃが……。」
「無いみたいですよぉ〜?」
其処へリニーエーラルドが現れた。
「リニェちゃん?……無いってどうして?」
「何か…南瓜ちゃんの話だと柚くん掘り返しちゃったみたいですぅ…。」
「「「何ですと!!?」」」
「ちょっ………止めろよ!!いってぇ〜!!」
「あわわ…落ち着いてここなく……。」
【金の馬鈴薯】を受け取った途端にここなの人格が変わった…と云うか酔っぱらった??
保健室に有る薬瓶を掴んでは嵐と柚に投げ付けている……。
「ふぁあ〜ん!大体わたし独りだけ【色】持ってるからって未だ9歳の子供を学園に入れるなんて酷いよぉ…何で家から通えないの!?そりゃ…ちょっと遠いけど…。」
「違うよここな君…学園の規則でご両親も仕方が無く…。」
「五月蠅いぃぃ!!」
そう云って突きを繰り出すここな…元々空手を習っているが同級生を倒せるか倒せないか程度の実力しかない、しかし何故か今日は突きが冴えている。
辛うじて柚はここなの攻撃をかわしたが、代わりに受けた壁にここなの拳が突き刺さった!!!そして壁にヒビが入る…拳が避けられると……何と壁には穴が……。
顔面蒼白の嵐と柚……是は……。
「「取り押さえるしかない!」」
暴れる(?)ここなの拳をかわし、嵐は腕を、柚は足を取り押さえた……ブッチャケセクハラですよ。(ヲイ!)
と、そんな処に冴花、愁、リニーエーラルド、馬鈴薯仙人、その他馬鈴薯がやって来た。
部屋に入った途端に愁はワナワナと拳を握った……。
「柚……アタシ達が必死にあなたが元気を無くした原因を捜している中で……あなたは……あなたは……何しているのよ!!!」
怒り爆発寸前の愁サン……ああ、屹度柚サンをロリコンだと想ったんですね。
「えっ…否、是は違っ……!」
「問答無用―!!」
「ぎゃぁああああ!!止め……ぎゃぁあ!!」
柚の絶叫…後ろで柚と愁がじゃれつく(違っ)のを無視して、皆の注目は暴れるここなに向けられる。
「きゃ…ここなちゃんどうしたんですかぁ!?」
「そ……それが…なんか部長から馬鈴薯貰った途端に暴れるようになっちゃって……。」
「馬鈴薯……?其れって【金の馬鈴薯】!?」
「へっ…?まぁ、確かにちょっとピッカピカ光ってたけど……。」
「それじゃ!其れを此処へ持ってこい!!」
「…………何…此の馬鈴薯………。」
突然割り込んできた馬鈴薯仙人に不審の目を向ける嵐……まぁ当たり前と云えばそうですね。
「失礼な小僧じゃ……儂を誰じゃと想って居るんじゃ!」
「……馬鈴薯。」
ガッシャァアアアアン!!
突然瓶が嵐の後頭部に当たった…愁が柚に向けて投げた薬瓶が当たったらしい…痴話喧嘩(違っ)は他でやって下さい!
と、嵐の束縛が解けここなが再び自由になる…。
「こうしちゃ居られんな…小僧…【金の馬鈴薯】はアノ小娘が持っておるんじゃな?」
「へっ…ああ……つ〜!!!!」
「大丈夫ですかぁ?」
痛そうに頭を抱える嵐に包帯を巻くリニーエーラルド。
嵐の言葉を訊いて馬鈴薯仙人は何処からともなく杖っぽい枝を出した。(と云っても浮いている状態だが…。)
そして其の杖の先をここなに向ける。
「もう静まれ…リンダリンダ(誰!!?)」
すると突如【金の馬鈴薯】がここなの手元から離れ馬鈴薯仙人の元に落ちた。
馬鈴薯仙人は【金の馬鈴薯】を杖でポカンと叩いた…と、その瞬間に杖の中に吸い込まれるように【金の馬鈴薯】は消えた。
「……はれ……?わたし何やってたんだろ??」
【金の馬鈴薯】が無くなると同時にここなも普段のここなに戻った…が、隅の方では愁が柚の事を未だ責めている。
も…もう良いんじゃないですか??
「ゴメンね柚……アタシ知らなかったから……。」
「ふあ……ひぃよふぇんふぇんひぃにひへふぁいふぁら。」
訳:いや……良いよ全然気にしてないから。
愁との喧嘩の所為で顔を包帯でグルグル巻きにしている柚。
「まぁ部長も元気になったし、良かった良かった!!」
「本当ですぅ〜リニェも柚くんが元気に成って嬉しいですぅ〜!」
「……わたし途中から記憶が無いんだけどなぁ…何が有ったの〜?」
「否…気にしない方が良い…絶対…いたた……。」
「万事解決!良かったザンスね〜うんうん。」
取り敢えず解決ですよ、はい。ご苦労様です〜!!
って……未だ1つ謎が残って居るんですけど……。
「あの…【金の馬鈴薯】って……何だったのかな……。」
最後に残った疑問…冴花がその疑問を口にすると、馬鈴薯仙人が……。
「いや〜すまんすまん、アレは儂が趣味で創った感情狂わせ装置【リンダリンダ】じゃ!!」
「「「「………何ですと!!?」」」」
「な…何でそんなの創ったんですかぁ?」
「趣味じゃ、趣味。只ちょっと失敗作だったらしく、滅茶苦茶狂わせてしまったようじゃがな…本当は陽気な性格にする物だったのに……。因みに名前の由来は儂の昔の彼女の又従姉妹の………。」
「「「「てめぇ!!巫山戯るなよクソ爺ぃ!!!」」」」
此の後5時間畑を逃げ回る馬鈴薯仙人を追い回した事は云うまでもない。
ともあれ柚が招いた阿呆事件は解決って事です。目出度し目出度し。
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